FC2ブログ
categoryスポンサー広告

スポンサーサイト

trackback--  comment--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
categoryDiary

Diary #3

trackback0  comment0
焔の月 4日目

※一部、展開を修正いたしました
= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

芽枝の月 4日

冬の気はいは日に日にうすれ、タイルニスにも春がおとずれようとしています。
今日はイマクノの日でした。
ライクラテルさまに私たちのイマラトナを見ていただく日です。
ライクラテルさまはとてもおやさしい顔の方でしたが
お会いするのは、これで二度目でしたのでとてもきんちょうしてしまいました。

エミーリエはエイレル、私はエイッカ。
この先はなればなれになってしまうのでしょうか?

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

スティルフの大通はこの街の賑わいを表す様に人で溢れていた。
自分が長く過ごしていた地も、そこから離れた後も人目を避けて行動していたため
アンジェリエルは人の往来に上手く乗ることが出来ず、思わず立ちすくんでしまった。

「少し休むか」
「いえ…いいえ、はい、そうします」

フリードリヒは少し後ろで足を揃えた教え子の方を振り返った。
その一言に、一度は心配させまいと考えたアンジェリエルだったが、
ここで目を回し倒れでもすれば注目を浴びることになるだろう。
フリードリヒは否定と肯定を交互に繰り返している様子がおかしかったのか、
困った様に笑った。
その笑いを見て、アンジェリエルは素直にフリードリヒの提案に従った。

「ごめんなさい、驚かせてしまった?」

人目を避けて入った路地は暖かい日に照らされ、生活の匂いに溢れていた。
道の入り口に現れた二人に驚いたのか、そこで寝転んでいた猫は慌てて起き上がると、
アンジェリエルの言葉もそこそこに一目散に家と家の隙間へ入り込んでしまった。
猫が行ってしまったことに、アンジェリエルは軽く肩を落とす。

いなくなってしまった猫から通りへ視線を戻すと、
奥の方で人が座り込んでいることに気がついた。
一人は女性だろうか?長く伸びた白磁の髪が揺れている。
その女性の隣には黒髪の小さな子供。
表情は見えないが喧騒に華やぐこの広い街で、
その二人の周りだけが静まりかえっている様に見えた。

「迷子、でしょうか」
「遊んでいる様には見えないな…声をかけるのか?」

直感的に発した言葉に対して、即座にフリードリヒに心の内を見られたようで、
アンジェリエルは気恥ずかしかった。
先ほど自分にしては威勢良く放った言葉を思い出しながら、
まるで出来ていないではないかと自分を嗜めたが、それでも何故か放っておけなかった。
頷いて意思を示すと、二人の方へ足を進めた。
フリードリヒはそれを止める様子もなく、少女の判断に任せている。

近づいてみると、女はその豊かな体に見慣れぬ服を纏っていた。
黒髪の子供も、民族衣装だろうか、見慣れぬ煌びやかな衣装を纏っている。
二人は近づいてくる少女と男に気がつき、振り返った。
女は、想像よりもずっと幼い顔立ちをしていた。
その体のラインから、最初は二人は親子かとも思えたが、姉弟という方が適切だろうか。
しかし、似ていたのは表情がいずれも覚束ないことだけであった。

「どうしたの?」

アンジェリエルはどちらに声をかけるか少し迷ってから少年にそっと尋ねた。
黒髪の少年は驚いたのか、その橄欖石色の目を丸く形作る。
隣にいる女は、まだ夢から覚めない表情をしたままだった。

「あの…」
「ねぇね?」

確認の意味でもう一度声をかけようとした時、白磁の女は言葉を発した。
アンジェリエルは、その予想外の反応に困惑した。
見た目以上に発音が幼いのだ。

「ねぇね ねぇね」

女はしきりに、嬉しそうに同じ言葉を繰り返している。
この女は警戒心や敵意は持っていない様子だが、
何と言いたいのかアンジェリエルには分からなかった。
少年はというと、アンジェリエルの顔から視線を足元に移し、
何かを探しているかの様に周囲を見回している。
彼の後ろには布に包まれた金属が一部見えた。
それは彼には不似合いな程、大きい。

「なーな まいご」
「まいご…迷子なのですね?」

アンジェリエルは意思の疎通が何とか出来ないかと、考えを巡らしていた。
その矢先に、理解できる言葉を聞き取り、思わず反復する。
女は嬉しそうに大きく頷いた。
それから女は隣に座っている少年を指差し、「同じ」というジェスチャーをした。
少年は何度も頷いて肯定する。

「予想通りだな。さて、どうする」
「この女性は、わかりませんがこちらの子は、
 もしかすると私たちと同じように救援の登録をしたのではないでしょうか」
「何故、そう思う?」
「あの布の中身は金属製の武器ではないかと。
 今まで見た限りでは、この街は普段から
 武器を持ち歩く必要があるとは考えられませんし、
 服装も、二人とも見慣れない物です。そこから判断しました。
 迷子ということははぐれた同行者がいるということ、
 あの武器はその人の物かもしれませんが…」
「情報の取得はまずまずだが、憶測が多い。
 服装はどうとでもなる部分な上に子供だから『戦わない』というのは、早計だ」

少年は、今度は不安げに上でやり取りをしている二人を交互に見ている。
手にはそれで地面に文字を書くつもりだったのか、小さな木の枝が握られていた。
言葉は発しないが、言葉は聞き取れているのだろうか。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

Special Thanks.
ENo.1894 フリードリヒ=フォーゲルベーレ
ENo.3244 NA.NA
ENo.39 (Hyacinth=Welzel/)Tete=Cucurell
スポンサーサイト
 









        
 
http://antiqueminuet.blog.fc2.com/tb.php/6-16eec4ca
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。